先日に続いてパール連のお直しのお話です。
もう少しお付き合いくださいね。
お直し3点目は大きな淡水バロックパールのネックレス。

お客様のご要望は、まずは留め金の交換。
ネックレス全体に対して留め金が小さすぎるのでは?とのことでした。
確かに全体のバランスから見ると少し頼りない感じがしますね。
大きいものに変更しましょう。
さらに着けた感じがしっくりこないとのことでした。
それはなんとかしたいですね。
お預かりして見てみたらワイヤーで仕立てられていました。
バロックの場合、ぎゅっと締めて仕立ててしまうと着けた時にギチギチになって付け心地が悪くなります。
普通仕立てならワイヤーでも糸でも少し余裕を持たせて仕上げます。
お客様のバロック連も余裕はあるようでしたが、珠ひとつひとつが重さがあるため
結局下の方に集まってぎゅっとなってしまい、ギチギチになっているようでした。
改善するにはワイヤー仕立てでオールシリコン(パールの間に小さいシリコンパッドを入れていく)にするか、
糸でオールノットにするかです。
オールシリコン、糸でオールノットのメリットとデメリットをそれぞれお伝えし、
今回は糸で仕立てることになりました。
完成したのがこちら。

留め金を大きいものに変更し、糸でオールノット仕立てにしました。
このお直しのポイントは南洋珠(大きい・重い)用のオールノット仕立てというところです。
あこや連や淡水連のオールノットとは方法が違うのですよ〜。
パールの穴口の大きさに合わせて糸の太さ、糸の本数を決めて編んでいきます。
この見極めにもスキルが必要!
より丈夫になるように考えているんですよ。
それと・・・BeforeとAfterで他に違うところがあるのが分かりますか?
画面の左側です。
正解はパールの向き。
お直し前は雫型をしているパールを一定方向に並べてネックレスにしてあったようです。
よって左側は雫型が逆さまになっていたのです。
間違いではないんだけど・・・いいんだけど・・・。
ちょっと目が落ち着かないんですよ。私だけですか?
あまり気づかれない小さいことなのですが、見た目がぐんと変わるのです。
お客様にご了承を得て、とんがっている方が上を向くように並べ替えさせていただきました。
後日、お客様からは着け心地がよくなったとご連絡をいただきました。
よかった〜!
今回3点のお直しを承りましたが、ご両親から譲られたお品とのことでした。
大事なお品をFinoLinoに託していただき、本当にありがとうございました。
そう、そして糸通しの技術を必要な方にお伝えしていきたいですね。
「真珠を編む教室」再開しないと。
(もうちょっとお待ちを・・・)